相続対策としての保険

 これまで相続税対策というのは資産家だけの問題で、庶民にはあまり関係のないもののように思われて来ましたが、2015年より相続税の基礎控除が4割減になる事で、いっきに課税対象となる人が増えることになります。

 さらに、資産家の方々にとっては相続税の最高税率が55%に引き上げられることで、さらに重い税負担を強いられるようになります。

 このような大増税に向かう中で、相続の対策をしている人としていない人との間には大きな差が生じる事になるでしょう。

 生命保険は人の死亡を事由にして支払いが発生するものですから、相続対策にはとても適しています。
 ただ銀行に預けている預金を生命保険に振替えるだけで、「死亡保険金が預金額を大きく上回ります」から、「納税資金確保」をするのに有効です。

 また、同じく銀行預金を保険に振替えるだけで、「現金評価額を大きく下げる」方法もあるので相続税を減額させることも出来ます。

 かつて、保険に認められた評価減の特例などが廃止になったので、相続対策として保険で出来ることは、ごくわずかしかないと一般には思われているようですが、まだあまり知られていない手法を使うことにより、「相続財産の評価額を減らすこととなり税額を大きく減らす」ことが可能となります。

 また、相続税の問題と並んで、相続につきものなのが「争族と呼ばれる遺産争い」です。
 これは、相続税のかからない人にでも起こり得る問題です。

 生命保険の死亡保険金はみなし相続財産なので、遺産分割の対象財産から外れますから、被相続人があらかじめ受取人を指定しておくことで遺産分割を円滑にして、「争族」発生を抑制する効果も生まれます。

 これらのように生命保険を活用する事で、いろいろな対策が可能となり、相続発生時に大きなメリットをもたらすプランニングが可能です。

 そろそろ相続対策が必要なのでは?と感じる頃には、「時すでに遅し」である事が多いですから、早めに対策をされておく事をお勧め致します。